はしうど福祉会が拠点を置く京丹後市では、毎年8月の最終日曜日、市内全域で総合防災訓練が実施されます。小規模多機能施設「間人(たいざ)あきばの里(以下あきばの里)」は、参加可能な範囲で訓練に参加しているのですが、今回は初めて利用者と一緒に訓練に参加しました。
参加のきっかけは、地域住民・利用者・家族・行政・職員等で構成される「運営推進会議」。会議では、施設運営以外にも災害発生時の対応などもテーマに挙がります。高齢化がすすむ間人では、地域の高齢者が災害時、自宅から自力で避難することが困難なことが課題であり、あきばの里の利用者避難も例外ではありません。災害時の避難行動に関して課題を運営推進会議で共有したところ、「災害時の避難は地域住民の協力が必要」、「市の防災訓練に合わせ、地区で訓練してみよう」と話がまとまりました。
当日は、地域住民が利用者の自宅へ出向き、決められた避難所までの避難支援を実施。車椅子を地域住民の方に操作していただくことで、普段は気にならない段差や道路の凹みなど、車椅子で避難することが予想以上に難しいということを確認し合うことができました。
この訓練を通して、あきばの里は地域住民の方に支えられ成り立っていることを再認識すると共に、災害時には地域住民・事業所、相互の協力が不可欠であることを実感しました。国は、地域住民と専門職が協働して、災害時における個別避難計画の策定を進めています。あきばの里としても地域住民の方と日常のコミュニケーションを基盤としつつ、非常災害時でも相互に協力し合える関係を築きたいと考えています。常日頃から課題を共有し、地域とともに歩んでいける事業所でありたいと思います。
社会福祉法人 はしうど福祉会小規模多機能施設「間人あきばの里」主任 久保牧子さん